帯状疱疹ワクチン(シングリックス)について
お知らせ

帯状疱疹ワクチン接種の助成が開始されました
以前より私自身も小倉内科医会の医師会活動を通じて、行政に対して帯状疱疹ワクチンの接種の公費助成を行うよう提言していましたが、令和7年4月より、北九州市では以下の年齢に該当する方に対して、帯状疱疹ワクチンの接種費用の一部助成があります。
対象:今年度中(令和7年4月〜令和8年3月)に「65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳以上」になる北九州市民の方
助成内容:シングリックス(不活化ワクチン)1回につき10,000円(2回で20,000円)自己負担は1回につき11,000円になります。
帯状疱疹について
帯状疱疹は、以前に感染した水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化により、体の片側に水疱をともなった紅斑が帯状に広がる疾患です。痛みを伴うことが多く、皮膚症状が改善した後も長期間にわたる痛みが続くことがあり(帯状疱疹後神経痛)、うつ病を発症するなど生活の質を落とす可能性があります。
また、帯状疱疹の発症部位によっては、角膜炎等による視力低下や失明、Ramsay-Hunt症候群(耳介部の水疱形成、顔面神経麻痺、難聴、めまい)といった合併症もあり、予防が重要と考えられます。
日本の研究では、帯状疱疹の発症は50歳以上に多く、約7割を占めています。これは加齢による免疫力の低下が原因と考えられています。毎年約60万人が発症し、80歳までに約3人に1人が経験すると推定されます。
近年小児の水痘ワクチンの普及に伴い、小児水痘患者(水ぼうそう)は減少してますが、水痘帯状疱疹ウイルス曝露機会の減少による、大人の帯状疱疹発症の増加が危惧されています。
帯状疱疹ワクチンについて
帯状疱疹発症を予防するために、ワクチン接種が重要です。
帯状疱疹ワクチンには、不活性化ワクチン(シングリックス)と生ワクチンがありますが、高い効果が認められたワクチン不活性化ワクチン(シングリックス)の接種をおすすめしています。
不活性化ワクチン(シングリックス)と生ワクチンの比較
項目 | シングリックス(不活化ワクチン) | 乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン) | 備考 |
種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン | |
対象年齢 | 50歳以上 | 50歳以上 | 助成対象は異なる |
接種回数 | 2回(2か月間隔) | 1回 | |
予防効果 | 90%以上(50歳以上) | 50~60% | シングリックスの方が高い |
接種可能者 | 免疫抑制状態でも接種可 | 免疫抑制状態では不可 | 持病のある方に配慮が必要 |
副反応 | 接種部位の痛み、発熱など | 発疹、軽い発熱など | どちらも一過性 |
費用(自費の場合) | 21,000円×2回 | 8,000円 | |
北九州市助成適用時の費用 | 11,000円×2回 | 4,600円 |
接種をご希望の方へ
帯状疱疹の予防には、早めの対策が効果的です。
ご自身の健康を守るために、ぜひこの機会にシングリックス接種をご検討ください。
接種をご希望の方は、受付または診察室でお気軽にご相談ください。
助成を受けられるのは生涯にこの機会のみです
対象の年齢の方が助成を受けて接種が出来るのは令和8年3月末までのこの1年間だけです。
たとえば今年65歳の方は5年後の70歳の時には助成は受けられません。
間違いなく、この1年間に接種を行うことが重要です。