内視鏡検査とは内腔を有する臓器に、ビデオカメラが先端に付いていて、柔軟性があって屈曲が自由な管(ファイバー)を挿入し、口から食道、胃、十二指腸を観察したり、肛門からは大腸の内腔を観察したりする検査です。
一般的には「胃カメラ」「大腸カメラ」「内視鏡」などと言われていますが、正確には検査する場所により、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査などと呼ばれ、それぞれ使用する機器も異なります。
内視鏡検査は臓器の内腔面を被う粘膜の変化(色調、凹凸など)を観察し、疾患を発見することを目的としています。
他の検査では検出することが困難な微小な変化を捉えることができるため、癌の早期発見にもつながります。
また、検査中に発見されたポリープの切除を行ったり、さらに胃潰瘍による出血を止めたり、狭くなっている部分を特殊な器具を使用して拡張し、食道を通りやすくすることなども行っています。
胃癌や大腸癌は決して珍しい病気ではありません。癌は生命に関わる恐い病気ですが、早期発見できれば、完治する可能性が高い病気です。
定期的な内視鏡検査をおすすめします。
では実際に内視鏡検査を行う場合、どのように行うのか気になるところかと思います。
主な検査である、胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査について簡単にご説明致します。
胃内視鏡検査 |
外来で行うことのできる検査で、実際に行っている時間は約10分前後です。 検査の前にスプレーで喉を麻酔し、内視鏡を飲み込みやすくし、さらに病変を見つけやすくするために消化管の運動を止める注射を前処理として行います。 この前処置により、ほとんどの人が苦しむことなく検査を終わります。 検査終了後15分間ほど休んで、その後は歩いて帰宅出来ます。 あらかじめ嘔吐反射が強いことがわかっている場合や検査に対する不安が強い場合は、安定剤(静脈注射)を使用して検査をする場合もありますが、安定剤を使用した時は検査後2時間ほど回復室での休憩が必要となります。 |
大腸内視鏡検査 |
前処置として大腸内に溜まっている便をきれいに排出する必要があります。 このため、午前中に大腸洗浄液(下剤の一種)を飲んでいただき、午後から検査となります。 外来で可能な検査で、最近では人間ドックなどでも行われるようになってきました。検査中に多少お腹の張ることがありますが、30分前後で終わります。 腹痛が強い場合や、腸の動きが強い場合などには安定剤(静脈注射)や鎮痙剤(筋肉注射)使用することがあります。 検査終了後15分間ほど休んで、歩いて帰宅出来ますが、安定剤を使用した場合は検査後2時間ほど回復室での休憩が必要となります。 |
鼻から行う内視鏡検査『経鼻内視鏡検査』
上記で胃内視鏡検査について述べてきましたが、内視鏡検査をお受けになられた方はご存知かもしれませんが、従来の内視鏡検査といえば、胃カメラを口から入れ、検査の途中で「オエッ」となり、苦しいイメージがありました。
それを改善・軽減するために鼻から行う内視鏡検査が開発されました。
経鼻内視鏡は文字のとおり、鼻からカメラを入れます。
鼻から入れる内視鏡は太さが直径約5ミリ程しかなく、従来の内視鏡の約半分の太さしかありません。「オエッ」となる嘔吐反射も起こりづらく、以前よりも楽に内視鏡検査を受けることができ、より身近なものとなりました。
また経鼻内視鏡は口から入れる内視鏡検査とは違い、検査中に会話もできるので、安心して検査を受けることができます。
今までの内視鏡検査が苦しかった方や不安に感じていられる方は、一度お試しください。
※右上の図をクリックしてください。
経鼻内視鏡の特徴や検査の流れを掲載しています。
苦痛が少ない
内視鏡は、鼻にスムーズに挿入できる、約5ミリの細さです。検査中の苦痛が少ないため、強い麻酔の必要もありません。
吐き気が起きにくい
内視鏡が舌のつけ根を通らず、のどに触れることもないので、不快感や吐き気をほとんど感じずに検査を受けることができます。
会話ができる
検査中も会話が可能です。質問をしたいとき、気分を告げたいときなど、医師と自由にお話できるので安心です。